<敏感肌>
いろいろな刺激に対して、感受性が高まった肌状態。
<不安定肌>
普段は問題がなくても、睡眠不足、過労、生理前や期間中、
季節の変わり目、精神的なストレスなどで、皮ふの生理機能が
低下するような時に、刺激に対して一時的に感受性が高まった肌。
アレルギー肌
皮ふは角層のもつバリア機能で、外界のさまざまな刺激物から
皮ふ内部を守っていますが、角層を通り抜けてアレルギー物質が
侵入してくると、皮ふ組織ではすぐにアレルギー物質の侵入を
伝え、それを排除するための免疫機構がスタートします。
どんな物質でもはじめて接触したときに、
すぐにアレルギーが起きるわけではありません。
皮ふに異物が侵入すると、皮ふ組織ではまずその物質と
戦うための準備がすすめられ、免疫機構のひとつである
「Tリンパ球※」に伝達して記憶されます。そしてふたたび
(数時間から数日後の間に)同じ物質が侵入してくると
「Tリンパ球」が攻撃をはじめ、その結果が赤みやかぶれなどの
アレルギー反応となって現れます。
アレルギーとは、この反応が過剰に働いて異常を起こしている
状態のことをいいます。他の人にとっては何でもないのに、
その人だけがある特定の物質にアレルギーを起こします。
体質的なものだけでなく、体調をくずしていたり、乾燥などの
影響で皮ふのバリア機能が低下していると、健康時なら
何でもない物質にアレルギーを起こしてしまうこともあります。
※Tリンパ球…白血球の一種
●パッチテストをおすすめします
トラブルを防ぐには、まずアレルゲンを調べること。
接触によるアレルギーの場合は、肌に触れた特定の物質だけに
反応するので、その人にとってのアレルゲンがわかれば、
ある程度トラブルを未然に防ぐことができます。
しかしアレルゲンは人によってさまざま、思いもよらないものの
場合もあるため、アレルゲンを正確に調べるには皮ふ科で
※パッチテストを受けることをおすすめします。
※パッチテスト…アレルゲンと考えられる成分(ダニ、花粉、化学成分など)を
肌の一部に貼り、数日間観察を続けて肌の反応を調べるテスト方法
アトピー素因肌
アトピー性皮ふ炎になりやすい体質の肌を指します。
アトピー性皮ふ炎の原因は長い間アレルギーの一種であると
考えられていましたが、最近の研究で、皮ふのバリア機能障害も
大きな原因のひとつであることがわかってきました。
つまりアトピー素因肌は、体質的にアレルギーを起こしやすい
ばかりでなく、もともと皮ふのバリア機能が弱いために
刺激を受けやすいのです。またアトピー体質は遺伝する傾向が
強いので、肉親に花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、
アトピー性皮ふ炎の人がいる場合は、アトピー素因肌である
可能性が高いといえます。
アトピー性皮ふ炎の特徴は強いかゆみ。
かゆみをがまんできずにかいてしまうことで、
バリア機能をさらに低下させ、症状を悪化させてしまうことが
あります。悪化すればかゆみはさらにひどくなるという
悪循環が、治りにくい原因のひとつになっています。
●かゆみが起こるメカニズム
真皮に、免疫機構のひとつとしてかゆみ物質(ヒスタミン)を
放出するマスト細胞があります。アトピー素因肌の場合、
アレルゲンが体内に侵入すると、このマスト細胞が反応して
かゆみ物質を放出し、それを末梢神経がキャッチして脳に伝達。
すると脳は皮ふの異物を取り除くように身体に指令を出すので、
皮ふをかきたくなります。

肌あれ過敏肌
季節の変わり目や体調不良、乾燥や紫外線の影響などによって
角層のバリア機能が低下し、使い慣れている化粧品が
急にひりついたり、肌あれを起こしたりします。

敏感肌・不安定肌、その原因
年齢に関係なく、どんな肌質にも見られる敏感肌と不安定肌。
乾燥、紫外線、遺伝的素因、ストレスなどいろいろな原因が
ありますが、特に肌が乾燥していると、皮ふのバリア機能が
弱まり、刺激に対する抵抗力がなくトラブルをおこしやすい
状態になります。
●角層のバリア機能低下
角層には生体内の水分蒸散を防ぎ、
外界からの刺激から肌内部を保護するバリア機能がありますが、
角層は薄く、少しの刺激でも傷ついてしまいます。
生活環境の中には、角層のバリア機能を不完全にする要因が
たくさん潜んでいるため、バリア機能が低下することで、
肌にさまざまなトラブルが起きやすくなります。
●肌あれの放置
肌あれの状態を放っておくと、
表皮の新陳代謝が異常に早められ、保湿のための因子や
細胞間の脂質が十分に形成されません。そのために
さらに肌あれ状態を悪化させ、化粧品がしみたりする
悪循環を繰り返します。
角層水分量
 敏感肌の方は角層中の水分が少なく、
肌あれしやすい状態になっています。
表面があれている肌のモデル図

角層の水分が不足すると、角片がそったようになり、
さらに水分が蒸発しやすくなります。
一方、刺激物質やアレルギー物質は侵入しやすくなります。
●肌を刺激するさまざまな外的要因
アレルギー性物質や刺激物質の例
紫外線、温度、湿度、ホコリ、ダニ、動物、昆虫、家庭用洗剤、
植物(ウルシ・サクラソウ)、衣類(ナイロン・ゴム)、化粧品、
外用薬、装飾品(貴金属)、食品(牛乳・そば・玄米)など。
●肌に影響を与えるさまざまな内的要因
不規則な生活による睡眠不足や疲労、栄養のアンバランス、
暴飲暴食、生理前や期間中、妊娠中、更年期時のホルモンの
アンバランス、血圧降下剤などの内服薬の常用、精神的なストレス
など、色々な内的要因も敏感肌・不安定肌の原因になります。
ワンポイントアドバイス
● ハウスダストのアレルギーは、とにかく部屋を清潔に
人が動くたびに空中に舞うハウスダストで
アレルギー症状をおこす方も多いのです。
ホコリがたたないようにこまめなお掃除が欠かせません。
● カーペットに発生するダニにも注意
最近ではカーペットに発生するダニもアレルギー症状の原因に。
調査によると1mに平均約1,300匹が発見されたそうです。
やはり“部屋は清潔に”を心がけましょう。
● 花粉アレルギーには、マスク、うがい、そして目薬で
花粉症に悩まされている方には、ちょっと困った春。
予防にはマスクをする、うがいをする、メガネをかけるなどが
効果的です。目のかゆみと充血を抑えるには、
アレルギーによる炎症を抑える抗ヒスタミン剤や
抗炎症剤の配合された目薬を選びましょう。
お手入れのポイント
●化粧品を選ぶ場合は慎重に
肌にアレルギー反応や刺激反応をおこす可能性のある物質
(香料・色素・防腐剤・アルコールなど)を含まない
敏感肌用・不安定肌用の化粧品を選ぶこともよい方法といえます。
●肌のよごれをとり除き、清潔に保ちましょう
敏感肌・不安定肌にとって刺激となる肌のよごれを、低刺激性の
洗顔料でとり除き皮ふのトラブルから肌を守りましょう。
●肌に必要な水分・油分を補い、うるおいを整えましょう
肌あれを改善するために、化粧水や乳液でうるおいを補い、
皮ふの抵抗力を高めましょう。また、肌が乾燥している時は
一度にたくさんつけるより、二度に分けて使用するほうが
肌へのなじみがよく効果的です。
●日中の外気や紫外線から肌を守りましょう
肌の抵抗力のない方は、外気の影響や紫外線の影響も
大きなダメージになりやすいものです。
肌にあったファンデーションでカバーしましょう。
またファンデーションをつける時は、
スポンジで強くこすらないように。スポンジを常に
清潔にしておくことも心がけてください。
●肌のバリア機能を高めてトラブルを防ぐためには、
肌状態に合わせたスキンケアが必要
間違ったお手入れは、肌をますます過敏にし、
トラブルを招くことにつながります。
湿疹、かぶれ、じんましん、ひどいかゆみ、赤み、
ニキビなど炎症を起こしているときは、
皮ふ科専門医に相談しましょう。
日常気をつけたいこと
●洗顔はシャンプー後に行いましょう
洗顔後の肌は皮脂によるバリア機能が弱くなるので、
肌に残っているシャンプーやリンスがトラブルをおこす
原因になる可能性があります。
●指やスポンジなどで肌をこすり過ぎないように
指やスポンジ、ティッシュペーパーなどで、
肌をこすり過ぎたりして、物理的な刺激を肌に与えないように
気をつけましょう。
●化粧用具も清潔なものを使いましょう
お手入れの時の手や指はもちろん、ファンデーションの
スポンジやタオルなども常に清潔にしておきましょう。
●紫外線から肌を守ることも忘れずに
敏感肌や不安定肌の方は紫外線の影響も受けやすいので、外出時には肌に合った紫外線防御効果のあるファンデーションや帽子、日傘などで肌を守りましょう。
●過労や睡眠不足を避けること
生活のリズムが乱れ、からだ全体のバランスがくずれると
肌の状態も不安定になりがち。
十分な休息をとることが大切です。
●食生活にも要注意
皮ふの抵抗力を強めるタンパク質、ビタミンB2、B6、
カルシウムを多く含むものを積極的にとるように心がけましょう。
春になるとさらにおいしくなるサラダは、
ビタミンB2たっぷりなのでおすすめです。
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